屋久島撮影旅 第6話 – 「人にやさしく」

   

さわやか大悟さん

第5話「地味な致命傷」に戻る

 

7月24日(火)

12:20

辻の岩屋、通称「サンの家」に到着。

ようやくここまでたどり着いたか。ここまできたらあと少し。脈打つように痛む右足首をかばいながら、崩れ落ちるように座り込む。

一方、フォトグラファー伊織。疲れているはずなのに、ここにきて常軌を逸した興奮を見せる。どうやら、サンが初恋の女性なのらしい。

何やらサンとアシタカのからみ周辺のセリフらしきものを、完全にキマった目でブツブツ暗唱しながら、御調さんをバシバシ撮っている。

伊織、すまんな。「黙れ小僧」と言ってやることもできないポンコツで。。。

サンの家

 

12:30

サンの家を後にして少し進むと、満面の笑みを浮かべた男性が現れた。今日合流して、撮影に参加してくれることになっていた野村 大悟さんだ。

しかし、待ち合わせ場所は白谷避難小屋だったはずでは。どうしてここに?

 

「いやー、つい二往復しちゃってましたー!」

 

ニコニコしながらサラッと言う大悟さん。多分、俺たちが予定時刻を過ぎても来ないので、迎えに来てくれたのだろう。

それにしても、この険しい道を二往復。怪物だ。

岩を渡る大悟さん

 

12:40

元気いっぱいの大悟さんが合流したことで、俺も少し元気を取り戻せたようだ。

 

「あと少しですよ!」

 

大悟さんの言葉を信じ、一歩一歩呻きながら進む。

沢を渡る大悟さんと御調さん

 

13:00

白谷避難小屋に帰還。

危なかった。もう限界に近かった。ひとまず生き延びた。。。

 

13:20

御調さんがたらこパスタを作ってくれた。メチャクチャうまい。

足首の痛みでほぼ忘れていたのだが、さっきまでハンガーノック寸前だったのだ。朝、きな粉餅を3個食べておかなかったらと思うとゾッとする。

それにしてもうまい。染みる。生きている実感がする。御調さん、ありがとう。

 

14:00

たらこスパゲッティを食べ終えて、少し横になった途端深い眠りに落ちていた。

30分寝て起きたら疲れは随分とれていたのだが、困ったことに、さっきより右足の状態が悪化している。歩くことすら難しい。

ここから先は、避難小屋に置いておいたデカい荷物を背負って帰らなければならない。この先、こんな荷物を背負って帰れるのだろうか。

 

「持ちますよ!」

 

え?

 

 

「人にやさしく、がモットーなんで!」

 

 

さわやかな笑顔を浮かべながら、俺のデカいリュックをサッと背負う大悟さん。

「人にやさしく」……その言葉が似合う俺の中での人類トップ2、ブルーハーツと野村 大悟。急遽決定。

それにしても、ここ屋久島で出会う人は、御調さんといい大悟さんといい、とにかく優しい。深く感動し、深く頭を下げる。

さわやか大悟さん

 

15:40

ついに、ついに入り口に到着。

この深い安堵感はアイアンマンのフィニッシュラインに匹敵する。

それにしても長かった。本日の全行程11時間。後半が特に長かった。

御調さんと大悟さん、そして伊織に助けてもらいながら、使えないポンコツディレクターによる縄文杉アタックは、こうしてなんとか脱落者0で終わりを迎えたのだった。

屋久島ロード

 

さあ、今夜は打ち上げだ!命の恩人におごらねば。心の底からおごりたい。俺も人にやさしくなりたい。

屋久島打ち上げ

 

第7話「友情のしるし」に続く

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