ウォリアー・プリンセス – 第3話「ヤスコ、ビビる」

   

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第2話「スライディング土下座と目力ビーム」に戻る

「さて、沼津でデビューしようか」

横浜トライアスロンが終わったある日、俺は唐突に切り出した。

「えっ、トライアスロン…!」

明らかにビビるヤスコ。何故ビビる。君はウルトラランナーではないか。

「そんな辛そうなことできるかな…」

「100km走る方がよっぽど辛いと思うけどな…カズさんどう思う?」

「絶対、アイアンマンより100kmの方がキツいですw」

ヤスコはビビりながらも「それならバイク買わなきゃですね…」「スイムも練習しないと…」といった感じで、すこぶる前向きに悩み始めた。

まず、ヤスコはバイク探しをはじめた。しかし、どんなブランドがあるかサッパリ分からないらしい。

「どんなのがあるんですか?バイクって」

そう聞かれ、ヤスコ以外の3人はあーでもない、こーでもない、と盛り上がった。

曰く、「ヤスコさんはマッチョなアメリカンブランドって感じはしない」とか「クールなイメージがいいんじゃないか」とか「#セクシーとはこういうことだろう?」とか、そんな感じだ。

結局、ヤスコの選んだのはCervélo「R2」というバイクであった。なかなかのイケメンブランドを選んだことになる。

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次に、俺たちはヤスコのスイム練習に付き合った。ブルトレのスイム練でよく使っている「横浜市西スポーツセンター」のプール、通称「西ぷー」に仕事の後、4人で向かった。

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ヤスコが最も恐れていたのは、やはりスイムだった。必死に25mを泳ぐが、完全に息が上がってしまう。いくら走っても息が上がらないヤスコが、25mのスイムでゼーゼーいってしまう。

「ちょっと動きを見てみましょう」

カズがヤスコの動きをチェックする。

「こんな感じです、こう」

「こう?」

カズが見本を見せ、ヤスコが腕を回す。

「いえ、こうです。こう…」

「こう?」

「。。。」

カズだけでなく、俺も気がついた。肩甲骨周りが圧倒的に硬い

そういえば、以前西内さんのランニングクリニックを受けたとき、西内さんもヤスコの肩甲骨問題を指摘していた。「これでよく100km走れますね。伸びしろのかたまりです」と、若干ワルい顔をしながら言っていたのを思い出す。

「肩甲骨から動かす意識で…」

「こう??」

「。。。」

これは難しい。とりあえず問題を棚上げして、息継ぎのやり方を教えるカズ。必死に50mを泳ぐヤスコ。50m泳ぎ、休み、そしてまた50m泳ぐ。

「こんなので大丈夫?わたし…」

「大丈夫です、イケますw」

「今、笑ってたでしょw」

「イケます」

その後、ヤスコは4回ほどスイムの自主練をしていた。カズとアキコに付き添われ、バイク練もやっていた。

そんなこんなで時は過ぎ、あっという間に沼津直前。出発前日、ヤスコがレースの抱負をオフィスのホワイトボードに書いた。

「Team On Japan 笑顔でFinish!! Yasuko :D」

素晴らしい。実にいい目標だ。では、チームメイトである俺たちも書こう。

「怪我に注意 かず」

腰を滑らすなよ。首を寝違えるなよ。

「途中で消えない ひ」

ケアンズでも炸裂したお家芸「アスリートトラッカーから消えるの術」は、是非とも封印したい。

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……なんだか微妙な目標になってしまった気がする。ホワイトボードを眺めながら、言葉を失う俺とカズ。しかし、今回サポート側に回ったアキコは気合いが迸っている。

「ヤスコさんのデビュー戦、全力で応援しますよ!!ファイトです!!」

そして2016年8月6日(土)、俺たち4人は沼津に向けて出発したのだった。

第4話「ポンコツチームOn、発進」に続く

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