宮古島挑戦記 2018 – 第9話「俺もマーマン」

      2018/05/22

灼熱の直前のマーマンキング練

第8話「親友のような家族」に戻る

 

昨年7月のPI TRI夏合宿以来、俺はマーマンキングこと前田 康輔に師事してきた。

彼は「泳ぎは個性」と言っていた。絶対的に正しいただひとつの動きというものはない、その人の個性に合わせた泳ぎを目指すのがいいと。それはOnの考え方に通じるものがある。

俺の泳ぎの個性がなんなのか、それはまだよく分からない。でも、彼はそれを知っているように思える。だから、その教えをなるべく咀嚼して吸収するように努めた。その結果、湯原温泉でも佐渡Rタイプでも、スイムのタイムは大幅に伸びた。

今回の宮古島にあたっては、当選の一報を受けた12月下旬からの4ヶ月間、練習時間の7割をローラーに、3割をランに注ぎ込んだ。スイムの練習は、陸上と風呂での動き確認しかしなかった。実際に泳いだのは、宮古島に到着してからの4日間だけだ。

湯原温泉トライアスロン2017直前

 

俺ひとりで練習していたなら、こんなことは絶対にしない。それでもあえてそれをやった。絶対的にバイクが弱く、次にランに難があり、スイムは相対的には得意な部類に入ると考えていたからだ。それに何より、俺は康輔の教えを信じていた。宮古島に入ってから奴から一度だけ教わった。そのポイントはひとつ。

 

「左の息継ぎのときに右腕が沈む」

 

解決策もそのときに教えてもらった。というより、湯原や佐渡のときにできていたことだ。その動きを忘れかけていたのだ。すぐにそれを修正し、康輔から一応のOKをもらっていた。

灼熱の直前のマーマンキング練

 

今はレース本番。スタートしたばかりで周辺は騒がしい。それでも、康輔の声を思い出すようにして泳ぐ。

 

「あ〜、まだ右腕が沈んでますねw 左腕はいいんですけどね!」

 

そうだ、そのためにはこうするんだ。

 

「息継ぎのタイミングが少しズレてるんです。もう少し早めに頭を戻してください。そして、キャッチアップ気味に腕を戻してください」

 

右腕を前方に残しておき、そこに左腕を少し前に放り出すように重ねる。それから右腕で水を捉える。

 

「それです、その動きが佐渡のときの動きです!いいじゃないですかー!」

 

宮古島入り初日とは比べものにならないほど楽に進む。ひと掻きひと掻きを意識しながら、まるで練習しているかのように泳ぐ。意識して力を抜く。すると、1周目1.5kmがアッサリと終わった。チラリと時計を見ると、30分ほど

上陸して軽く一杯だけ柄杓で水を飲み、すぐに2周目へ。1周目はそれなりに混雑していたが、もうかなりバラけている。今度はほとんど何も考えずに泳ぐ。身体はほぐれてきた。1周目より少しだけ力を込めてみる。

気がつけば2周目も終わっていた。上陸した瞬間に見たGarminは「59分」を示している。ウソだろ、1時間切れたのか。

去年のタイムを思い出す。あのときより15分も早い。あのときはスイムで疲労困憊に近かった。今はまるで疲れていない。

 

(すごいなお前)

 

心の中でマーマンキングに礼を言う。マーマンキングからマーマン流を教わったなら、言ってみれば俺も……

 

 

「博紀ー!」

 

 

内心で喜んでいると、応援ボードを振り回して応援してくれるまどかみかを見つけた。彼女たちに向けて笑顔で手を振り、トランジションに向かう。

スイムアップ

 

 

「前より速いよー!!」

 

 

そうだろう?だって、言ってみれば、俺もマーマン。マーマンキングの直弟子だからな。

 

第10話「TKの教え」に続く

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