宮古島挑戦記 2018 – 第11話「絶好調のバキューン」

      2018/05/24

絶好調のバキューン

第10話「TKの教え」に戻る

 

池間島を回って東平安名崎に南下する道に入ると、少し力を込めなければならなくなった。南風がキツい。池間島までは平均30km/h以上で走れていたが、ガクンとスピードが落ちる。

この区間は去年最も苦しんだ。ここで一度「もうやめたい」と思ってしまった。しかし、今はそんなことはない。さっきまでより少し頑張るだけだ。スピード表示は気にしない。自分の感覚を信じる。おそらく今のパワーは180-190w前後。心拍数は140-150くらい。淡々と進もう。少ない持ち合わせを細く長く使うのだ。

伊良部大橋でのひとり大騒ぎ状態とは打って変わって、うっすらジッと集中した状態で走っていると、75km地点、前方に異様な集団を見つけた。

上半身裸の男、ミラーサングラスをかけた浮かれた雰囲気の男、デンデン太鼓を振り回す楽しげな女。俺の大事な仲間たち。そこを通る選手全員を応援しているようだ。即座に叫ぶ。

 

「おおーいっ!!」

 

「ひろきぃー!!がんばれぇー!!」

 

「速い速い!去年より速い!イケるイケる!!」

 

ヤスコの声が真っ先に届く。続いて、カズ佐野遠藤さんの野太い声。彼らの振り回すデンデン太鼓がボコボコと楽しげな音を立てる。嬉しくなり、遠藤さんとハイタッチする。カズとトシが坂道を並走する。

宮古島75km地点_1

宮古島75km地点_2

 

「ひろきさん、どうですか?」

 

トシが去年と同じ質問をした。去年は確か、この質問にしっかり答えられなかった。曖昧に笑って「とりあえず行ってみる」みたいなことを答えた気がする。あのときはそれすら自信がなかった。今はどうだろうか。素直な気持ちが口をついて出てきた。

 

 

「絶好調だよ!!」

 

 

宮古島75km地点_3

 

今年はもうギリギリにはならない。この瞬間にそれを確信する。しかし、まだ半分しか来ていない。仲間たちのおかげで上がったテンションに任せて踏み込むことはしない。「細く長く使う」ことを思い出す。

ほどなく、90km地点の比嘉ロードパークが見えてきた。ここにはきっと2人がいる。いた、応援ボードと浮かれた花冠がよく目立つ。まどかのボードには「エッジをきかせろ!」とある。

宮古島90km地点

 

「博紀ー!どう!?」

 

「大丈夫!!」

 

一声だけ叫んで通り過ぎる。去年はほとんど使う機会のなかった「バキューン」を放つ。どうだ、最高にエッジの効いた一発だろう。

絶好調のバキューン

 

これが出せるなら大丈夫、イケる。今年こそ俺は大丈夫のはずだ。

 

第12話「Get into gear、気合いを入れろ」に続く

※ あとで写真を見たら特にエッジは効いてなかった。すまぬ。それでも応援バナーのクリックをお願いします。
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