宮古島挑戦記 2014 – エピローグ「そして、またあの舞台に」

   

Higashihennazaki

第10話「約束のストロングマン」に戻る

■ 宮古島6日目 – 4/21(月) レース翌日

7:00
「コマダさーん!泳ぎに行くよ!」

「ま…マジで?」

ベランダからハイテンションで叫ぶ同室のScottさん。身体を起こそうとしても、ピクリとも動けない。

「泳いだらカラダほぐれるよ!クールダウンにもなるよ!You can do it! Yeah!!

身の危険を感じるレベルのハイテンション芸が目前で展開されている。思わず目を閉じる。

「起きられないの?手を貸して!You can wake up! Yeah!!

これはもう逃げられないやつだ。目を閉じたまま右手を挙げると、力強く引かれてベッドから転がり落ちた。全身が軋むような痛みで思わず呻く。

「若いね!ワタシは明後日くらいに痛くなる!HAHAHAHA!!」

アナタ、俺よりずっと速かったじゃないの…。こうして俺はハイテンション芸人に連れられ、来間島に向かったのだった。

8:00
来間島の静かなビーチでゆっくりスイム。

昨日のスイムコースでは魚はほとんど見えなかったが、ここにはクマノミや名前の分からない熱帯魚がたくさんいる。

ハイテンションな人は、別のハイテンションな人(金子先生)と、波打ち際で追いかけっこをしている。昨日あれだけ走ったのに、まだやれんのか…。

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・2014年4月21日 Facebook

15:20
表彰式ふれあいパーティー。

Onアスリート西内洋行選手、総合2位。

今年はフィニッシュラインでOnアスリート達の勇姿を見ることができなかったが、こうして彼らの活躍をパーティーで確認できて嬉しい。

素晴らしい結果をありがとうございました!

Strongman award party
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表彰式の後、皆愛マンション仲間の熊さん、Scottさん、美穂ちゃん、雨宮さんと別れた。彼らのおかげで、とても楽しい時間を過ごすことができた。

皆と別れてから、商品やテントなどの返送作業。部屋に戻ってからは、部屋掃除と荷造り。これで、宮古島を発つ準備ができた。夕食にオリオンビールを飲む。うまいがアッサリ回ってしまう。

寝る前に、完走証とメダル、そしてレース中の写真を眺めてみた。色々なことが思い出された。

タイムはどうしようもなく遅いけど、自分の中では誇れる結果となった。じんわりと感動を噛み締めながら、宮古島最後の夜は更けた。

Proof of Strongman

■ 宮古島7日目 – 4/22(火) 最終日

お世話になった皆さんに別れを告げ、車でひとり東平安名岬を訪れた。

宮古島を「△」の形とすると、ここはその右端の頂点にあたる。ここはバイクコースの中で、最も綺麗な景色だと感じた場所だった。

ただ、レース中は内臓トラブル(ただの下し)発生直後だったため、しっかり見ることができなかった。ここのトイレに30分こもっていたので、滞在時間だけはしっかり取ったけど。改めて見ておかないと後悔しそうだと、トイレで唸りながら思っていた。

灯台の階段をヒイヒイいいながら登ると、そこには見たこともない絶景が。しばし見惚れた後、写真撮影。来て良かった。そして、DNF”R”にならなくて良かった。

Higashihennazaki

東平安名岬の美しさを再確認した後は、バイクコースを逆に進み、池間大橋まで。

このあたりでは、自分でもどうしたのかと思うほど速かった。CEEPO VENOM のおかげなのは分かっていたが、あまりにも追い越せるので勘違いしてしまいそうだった。

それなのに、腹を壊して30分もタイムロスするなんて。すぐ下すくせに、正露丸一つ携行していないなんて。

レース当日とうって変わって、車一台通らない静かな池間大橋。じっと橋を見つめながら、少しだけ悔しさを感じた。

Ikema bridge

池間島から市内へ移動中の車内で、名物のうずまきパンを食べていたが、それでもまた腹が減った。

レース当日の夜は、何も食べたくないほど内臓をやられていたのだが、翌日からやたらと腹が減る。「回復してる、元気な証拠ですよ!」と熊さんは言っていた。それなら、身体の求めに応じて食べておこう。どうせなら、皆と一緒に行った「福屋」でソーキそばを食べよう。

時間が時間だからなのか、トライアスリートたちが帰ってしまったからなのか、お客さんは誰もいない。ソーキそばを出してくれたおばあちゃんは、そのまま近くのテーブルで遅い昼食をとりはじめた。

「あんた、トライアスロンね?何回出たの?」

「はい、はじめてでした」

「どうだった?できた?」

「はい」

「じゃあ、また来るね?」

「はい、必ず ^_^」

苦しくて苦しくて、もう二度とやるもんかと思ったのに、もうやりたくなっている。こうやってみんな続けていくのかな?

Fukuya

空港に行く前に、少し陸上競技場に立ち寄った。一昨日の夜が夢だったかのように、静かな陸上競技場。

レース直後、ここで八木さんに会えた。去年の宮古島で知り合って、それから1年経ち、ブースで買ってくれたクラウドレーサーをいきなり実戦投入して、見事完走してくれた。On最高でしたよ!」と笑う八木さんを見て、ランナーの笑顔が見たくてこの仕事をしていると言ったオリヴィエの気持ちが分かった。

宮古島でストロングマンになれて、仕事の喜びも感じることができて、なんて幸せなんだろう。

さあ、そろそろ時間だ。名残惜しいけど、帰ろう。

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・2014年4月22日 Facebook

23:00
帰宅して、少しだけ考えたけど、リストバンドを切った。

苦しくて仕方なかったけど、信じられないくらい充実した。あり得ないほどドキドキして、抑えきれないくらい熱い気持ちになった。

これはもうやめられない。早く身体を治して、また走ろう。そして、またあの舞台に。

宮古島まであと1年。

1 year to go
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宮古島挑戦記 2014、完。

 - 宮古島トライアスロン2014