On、ブランド誕生ストーリー。

      2016/08/30

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Onのランニングシューズの特徴を一言で説明するなら、「ソフトな着地とパワフルな蹴り出し」、あるいは「クッション性と反発性の融合」ということになる。

Co-founders

デュアスロンのワールドチャンピオンに3度輝き、アイアンマンでも何度となく勝利を収めた On共同創業者オリヴィエ・ベルンハルドは、子供の頃からシューズに大きな興味を持っていた。使い終えたシューズを解体したり、あるいはちょっとした改造を加えたりして、シューズのどの部分がどのような役割を果たしているのか、その興味は尽きるところがなかった。

プロアスリートとして世界を舞台に戦っているとき、オリヴィエはお店で買えるほとんど全てのシューズを試した。アキレス腱の慢性的な炎症という悩みを抱えていたからだ。「もしこういうシューズがあれば…」という思いを抱えながらあらゆるシューズを試し、結果として「この悩みを解決するには、もう自分で作るしかない」という結論に至る。

オリヴィエは、幸いなことにチューリッヒ工科大学出身のエンジニアと知り合いだった。アスリートとしての経験と、最先端のエンジニアリング・サイエンスとのコラボが始まったわけだ。

ランナーとしてのオリヴィエが求めていたものは、以下の2点だった。

1. 垂直方向だけではなく、水平方向の衝撃を吸収できるクッショニングシステムであること。

2. 着地のときだけ効果を発揮し、蹴り出しのときには消えるクッショニングシステムであること。

オリヴィエがシューズ開発に着手した当時、一般的なランニングシューズは、垂直方向の衝撃を吸収することのみを念頭に置いていた。しかし、オリヴィエはこう考えた。「ランニングはその場でジャンプするものではない」と。当然、前に進んでいるからだ。だから、垂直方向に加えて水平方向、両方の衝撃を吸収できる仕組みが必要だと思った。

そして、その衝撃を吸収できる仕組みは、必要なときに必要な箇所でのみ発揮されなければならない、とオリヴィエは確信していた。着地し終わり、前に進む蹴り出し (もしくは重心移動) の段階に移ったとき、余計なクッション性が残っていたら、それは非効率な走りに直結してしまう。

垂直方向と水平方向の衝撃を吸収でき、着地の瞬間だけクッション性を発揮し、蹴り出しのときには消えてなくなっているクッション。考えに考えたオリヴィエが思いついたのは、「水撒きホースを輪切りにしたものを瞬間接着剤で市販のシューズに貼り付ける」ことだった。

「水撒きホース!?頭おかしいね(笑)」

「でしょ、でもこれが悪くない感触だったんだ。10m走ったらバラバラになっちゃったけど(笑)

そんなおかしな発想から生まれた、まだ試作品とも呼べないような代物は、走り始めてすぐにバラバラに壊れてしまったのだが、実験は成功した。オリヴィエの脚には痛みが走らなかった。痛みのないランは、彼にとって久しぶりのことだった。

それから試行錯誤が始まり、いくつものプロトタイプが製作されたが、基本的なコンセプトは当初から変わらなかった。水撒きホースを貼り付けたあのおかしなものが、ランナーを痛みから解放できるはずだとオリヴィエは信じていた。

On prototype_image

加えて、デザインにも工夫が凝らされた。シューズを履いたときに良さを感じられるだけでは不十分だと考えたからだ。それだけではなく、見た瞬間にワクワクさせられ、履いてみたいと思えるようなデザインこそが必要だと考えた。

「そうだね〜、だってこのプロトタイプ…」

「ダサいでしょ(笑)」

見た目を洗練させ、ロゴも一度見たら忘れないものを。その結果生まれたのが初代「クラウドサーファー」であり、今のOnロゴであった。

First Cloudsurfer

ソフトな着地とパワフルな蹴り出し。一目で「アレだ!」と分かる、ワクワクさせてくれるデザイン。ボコボコしたこのソールのデザインと機能を、オリヴィエは「CloudTec®」と名付けた。

クラウドテック、雲の上の走り
Run on clouds.
雲の「上」を走るから、走る楽しさのスイッチを「オン」にするから、ブランド名は「On」。

2010年、こうして俺たちのブランド「On」はスタートしたのだった。俺がそのストーリーを知るのは、それから2年後になるのだが、それはまた別の話

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次回「On、日本デビューの頃のお話」に続く

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