On クラウドサーファー、第4世代発売。オリヴィエ・ベルンハルドの魂の結晶。

      2018/11/02

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Onの創業から遡ること数年、オリヴィエ・ベルンハルドは脚の痛みに苦しんでいた。

 

オリヴィエ・ベルンハルドの強さ。

 

オリヴィエ・ベルンハルドは、かつてのアイアンマン・ヨーロッパチャンピオンにして、デュアスロン (第1ラン 10km/バイク 158km/第2ラン 30km) の世界チャンピオンだ。

デュアスロン世界選手権では、1994年、1996年、1998年、1999年、2000年、2001年、2002年、2004年の8回にわたって勝利している。それが示す通り、ランが圧倒的に強い選手だった。

1999年のアイアンマン世界選手権でも、ランを2時間41分57秒で走っている。このタイムは、現在に置き換えてもトップクラスに速いと言える。

3種目ある中で、ランのタイムだけを比較することに意味はないかも知れないが、それでも俺は興味がある。2018年大会のトップ5のランのタイムと比較すると、こうなる。

 

1位 パトリック・ランゲ: 2時間41分31秒
2位 バート・アルノ: 2時間45分41秒
3位 デビッド・マクナミー: 2時間46分03秒
4位 ティム・オドネル: 2時間52分33秒
5位 ブレイデン・カリー: 2時間53分38秒

 

ランだけ見れば、今でも世界の第一線に通用するタイムなのだ。「オリヴィエと『ジョグ』するとやられる」と、今でも現役アスリートがおそれるのは無理もない。

 

ランニングが大好きだったオリヴィエ。だからこその苦しみ。

 

オリヴィエは、ランニングが大好きだった。

だから、ランニングシューズも大好きだった。ありとあらゆるブランドのシューズを試し、レースに投入し、ランニングを楽しんでいた。子どもの頃は、使い終えたシューズを解体して、構造を調べるような遊びもしたそうだ。

プロアスリートとしての現役最後の時期、オリヴィエは慢性的なアキレス腱の炎症に苦しんだ。好きなはずのランニングを楽しめなくなってしまいそうな痛み。ランニングが嫌いになってしまいそうな苦しさ。

子供時代に戻ったように、オリヴィエは自分の履いているシューズを分解し、調べ始めた。どうして脚が痛くなってしまうのか、どうしたら脚が痛くなく、再びランニングを楽しめるようになるのか。

しかし、その答えが出るまでオリヴィエの脚は保たなかった。脚の痛みで走れなくなり、オリヴィエは現役を退いたのだった。

 

ランニングを楽しくする1足、クラウドサーファー。

 

「ランニングはその場でジャンプするスポーツじゃない」

 

オリヴィエはそう考えた。当たり前のことだ。ランニングは、前に進むスポーツだからだ。

 

垂直方向と水平方向、二つの衝撃。

しかし、その当時世間に存在するランニングシューズは、全て垂直方向の衝撃を緩和することだけを考えているように見えた。

上からモノを落としたときの衝撃を吸収する性能、それだけでは不十分だとオリヴィエは考えた。垂直方向の衝撃に加えて「水平方向」の衝撃が加わったとき、より脚に負担がかかるとアスリートとしての体感で知っていたのだ。

着地の瞬間、脚に加わる垂直方向と水平方向の衝撃を最小化する、柔らかなクッション性。その上で、より速くフィニッシュラインに向かうことのできる、スピーディーでパワフルな推進力。

それらの相反する二つの性質を合わせ持たせることができるシューズを作りたい。そうすれば、またランニングを楽しめる。オリヴィエはそう思った。

 

ヒントは、庭の水撒きホース。

オリヴィエがそう思ったちょうど同じ頃、同じ目標をもって研究していたスイス人研究者がいた。

オリヴィエは彼と協力し、アスリートとしての体験と、最先端のエンジニアリングを持ち寄りあった。その結果出てきたアイデアは、「水撒きホースを輪切りにしたものを、接着剤で市販のシューズに貼り付ける」ことだった。

この試作品とも呼べないような無骨なシロモノを使った最初のテストランで、オリヴィエは驚いた。痛みを感じなかったのだ。着地のときにホースが潰れることで、垂直方向と水平方向の衝撃を同時に吸収する。着地し終わったときにはホースは潰れ切っており、蹴り出しの力をロスしない。

それは、ソフトな着地とパワフルな蹴り出し。それがもたらしたのは、失ってから久しかったあの感覚。ランニングの楽しさ。

それこそが、オリヴィエがずっと求めてきたものだった。それが、Onの誕生した瞬間であった。オリヴィエは、そのときのことをこう語っている。

 

「その瞬間、鳥肌が立ったんだよ。また楽しく走れるって」

 

はじまりの1足、クラウドサーファー。

あの無骨でおかしな試作品は、洗練されていった。

その結果生まれた最初の1足は、「クラウドサーファー」と名付けられた。

 

雲の上をサーフィンするような、楽しい感覚のシューズ。

ソフトな着地とパワフルな蹴り出し。

ランニングの楽しさを広める1足。

 

クラウドサーファーという名前には、そんな願いが込められたのだった。

First Cloudsurfer

 

クラウドサーファー、待望のフルモデルチェンジ。

 

トレーニングシューズの快適さと、レーシングシューズのスピードを1足に同居させる。

クラウドサーファーを世に出して以来、Onが目指してきたのはそんな常識外れな世界であった。クラウドサーファーとは、“Be Different” を掲げるOnのDNAそのものだ。

その「はじまりの1足」であり、「OnのDNA」とも呼べるクラウドサーファーが、3年ぶりにフルモデルチェンジを果たす。今回のフルモデルチェンジで、4世代目となる。

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新型クラウドサーファーは、「ソフトな着地とパワフルな蹴り出し」を最も分かりやすい形で表現した、OnのDNAを引き継ぐ1足だ。Onがこれまでに培ってきた技術と経験を惜しみなく投入している。

 

新型クラウドサーファーのテクノロジー。

新しくなったクラウドサーファーは、これまでのクラウドサーファーと違うところが大きく4つある。

  1. CloudTec®の配列
  2. スピードボード
  3. アッパー構造
  4. かかと部分の2層EVA

順番に説明してみよう。

 

CloudTec®の配列

まず、下の画像がこれまでのクラウドサーファーのソールだ。かかと部分に2 x 2、ミッドフットからフォアフットにかけて3 x 3合計13個のCloudTec®が配置されている。

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一方、こちらが新型クラウドサーファーだ。かかと部分に2x 3、ミッドフットからフォアフットにかけて3 x 3 + 2合計17個のCloudTec®が配置されている。これは、クラウドフローの18個に次ぐ多さだ。

Small JPEG-19SS Cloudsurfer JungleLime Soleshot

クラウドフローは、まるで流れるような走り心地が特徴のひとつ。それは、ソールに多く配置されたCloudTec®が、かかとからつま先にかけて順番に細く潰れていき、いつのまにか重心が前方に移動しているような感覚を受けるからだ。

これと似たようなことが、新型クラウドサーファーでも起こる。つまり、よりスムーズで流れるような走行感覚だ。

ただし、クラウドフローとは違い、クラウドサーファーのCloudTec®はラバー製だ。当然、重量はクラウドフローよりもあるが、その分「強くてカッチリしたクッション」「弾むような反発性」を感じられる。

履いて走ってみると分かるが、この感覚はクラウドサーファーならでは。非常に楽しい。

 

スピードボード

Onのシューズには、足の形をした板バネが内蔵されている。

着地して蹴り出そうとする際、この板バネがしなり、身体を前方に押し出してくれる役割を果たす。この板バネのことを、Onは「スピードボード」と呼んでいる。

これまでのクラウドサーファーに用いられてきたスピードボードは、特殊樹脂だった。いわゆる、プラスチックだ。

一方、新型クラウドサーファーに採用されているスピードボードは、クラウドフラッシュやクラウドエースと同じPebaxという特殊素材だ。

Pebaxとは、スキー板や陸上短距離用スパイクなどに使われる素材で、圧倒的な弾性と剛性が特徴。着地の衝撃をエネルギーとして溜め込み、前方への推進力として放出するスピードボードの素材として最適といえる。

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アッパー構造

 

Pebaxのスピードボードを採用したことで、より爆発的な推進力を得た新型クラウドサーファーは、より高いアッパーのフィット感を必要とするようになった。

新型クラウドサーファーも、二重構造のエンジニアードメッシュを採用している。二重構造のインナー部分がソックスのように働いて足を包み込み、アウター部分が過不足なく足をホールドしてくれる。

それに加えて、新型クラウドサーファーのアッパーには、ひとつ新たな要素が加えられた。かかと部分に備え付けられたヒールカウンターだ。これによって、高速走行時のホールド感が大きく向上した。

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かかと部分の2層EVA

新型クラウドサーファーは、PebaxのスピードボードにCloudTec®が直結した構造を採っている。

しかし、かかと部分には、スピードボードとCloudTec®の間にEVAのクッション材が挟まっている。上の画像をもう一度見て欲しい。白い部分がそれだ。これで、かかとに加わる衝撃をさらに吸収できる。分厚いEVAを挟むと不安定さを増してしまうので、このさじ加減が難しい。

細かくて分かりづらいかも知れないが、細部まで工夫しているという一例だ。

 

OnのDNA = クラウドサーファー。

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このように、随所に新たな工夫が施されている新型クラウドサーファーだが、目指すところは8年前から変わっていない。

 

「あのときの鳥肌が、また出たんだよ」

 

俺たちの前で新型クラウドサーファーを説明したとき、オリヴィエは嬉しそうにそう語った。

あの無骨な試作品をはじめて履いたときの感覚。「また楽しく走れる」と確信した、8年前のあの瞬間。そのときと同じ感覚を、この新型クラウドサーファーに覚えたのだという。しかも、より洗練された形で。

 

「みんなにも楽しんでもらえるはずだよ!」

 

ランニングを楽しくするために生まれた、Onの「はじまりの1足」にしてDNAとも呼ぶべきクラウドサーファー。メンズ2色、ウィメンズ2色で、2018年11月1日(木)に発売される。

 

<クラウドサーファー メンズ ジャングル/ライム>
Small JPEG-19SS Cloudsurfer JungleLime Sideshot

<クラウドサーファー メンズ ミッドナイト/マリブ>
Small JPEG-19SS Cloudsurfer MidnightMailbu Sideshot

<クラウドサーファー ウィメンズ ファウンテン/アズール>
Small JPEG-19SS Cloudsurfer FountainAzul Sideshot

<クラウドサーファー ウィメンズ マルベリー/コーラル>
Small JPEG-19SS Cloudsurfer MulberryCoral Sideshot

ちなみに、値段は 15,800円(税別)。これまでと変わらない。これには驚いた。

 

<初代クラウドサーファー (2010年) 〜 4代目クラウドサーファー (2018)>

クラウドサーファー_全世代

 

次回「思い出のクラウドサーファー。これからも、雲の上の走りを」に続く

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