On クラウドラッシュについて その2。

      2017/05/29

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昨日発売された、クラウドレーサーの後継モデル「クラウドラッシュ」

アウトソールの形やアッパーの雰囲気で、「これはクラウドレーサーのアップデート版だ!」と思ってくれた人も多いようだ。パッと見、クラウドレーサーの色違いに見えなくもない。

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しかし、名前が「クラウドラッシュ」に変わっているだけに、それまでのクラウドレーサーとは大きく違っている。どこが違っているか、下記に4点列挙してみたいと思う。

 

① アッパーが圧倒的に優しい

足を入れた瞬間に、「クラウドレーサーより優しい!」と感じた。

その理由のひとつは、最近のOnのシューズに採用されている「二重構造アッパー」だ。クラウドラッシュのアッパーの内側には、「インナーソック」と呼ばれるものが入っている。これは、クラウドレーサーにはなかったものだ。インナーソックとは、その名の通り、靴下がアッパーの下に入っているような構造だ。足を入れたときの足当たりの優しさは、このインナーソックによるところが大きい。

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※ アッパーの内側に、白い「インナーソック」を見ることができる。

 

それに加え、アッパー自体も、クラウドラッシュの方が柔らかめになっている。

クラウドレーサーの足入れ感が「他のOnより硬い」と思われたのは、アッパーに施されていたテーピング状のパーツのためだった。高速走行時の足のブレを抑える目的と、薄いスケルトンメッシュを補強する目的で施されていたテーピングだったが、それが硬く感じられた人もいたと思う。そのため、他のOnよりもハーフサイズ上げて履く人も多かった。

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※ かなりカッチリしているクラウドレーサーのテーピング構造。

 

クラウドラッシュも、このテーピング構造を踏襲してはいるが、その硬さは抑えめになっている。二重構造のアッパーを採用したことで包み込むようなホールド感を得られたクラウドラッシュは、クラウドレーサーのように「上からガッチリ抑える」ような構造をとる必要がなくなったからだ。クラウドラッシュのテーピング構造は、クラウドレーサーよりしなやかだと感じる。

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※ 足をホールドしつつ硬すぎないクラウドラッシュのテーピング構造。

 

二重構造のアッパーを採用したこと、程よいホールド感のテーピング構造を採用したこと、これらによってクラウドラッシュは非常に快適な着用感を実現した。

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② インソールが優しい

クラウドラッシュが優しいのは、アッパーだけではない。足を入れて立ち上がった瞬間の「フワっ」とした優しい感覚は、インソールも一役買っている。

クラウドレーサーのインソールは、EVAだけを用いていた。一方、クラウドラッシュのインソールは、EVAと「メモリーフォーム」と呼ばれる素材を組み合わせている。この異素材を組み合わせたインソールは、「Onのコンセプトカー」クラウドフラッシュでも採用していた。
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※ 左がクラウドレーサーのインソール、右がクラウドラッシュのインソール。

 

メモリーフォームというのは、例えるなら低反発枕のようなものだと思う。その人の足の形や重心に応じて沈み込み、適切なクッションとホールド感を与えてくれる。また、このメモリーフォーム部分には細かい穴が開けられており、通気性を向上させている。

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※ 優しい足当たりを実現してくれるメモリーフォーム。

 

③ 細かすぎて気がつかないかも知れない優しさ

アッパーとインソールの出来が良すぎて、クラウドラッシュの「さらなる優しい仕掛け」には気がつかない人がほとんどかも知れない。インソールを取り出したときに、それを見ることができる。

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クラウドラッシュの踵部分の青いものがそれだ。EVAの薄い板を貼っている。これが着地の瞬間の衝撃をさらに緩和してくれる。どれだけ優しくなろうというのか。おそるべし。

 

④ スピードボードもかなり優しい

Onの特許技術であるCloudTec®と連動することで、高い反発力を生み出し、ローリングするような足の動きをサポートするのが「スピードボード」。一言で言えば、足の形をした板バネのようなものだ。このスピードボードの素材や剛性をどのようにセッティングするかで、走り心地が大きく変わってくる。

クラウドレーサーのスピードボードは、圧縮された特殊樹脂製だ。全体的にとても硬く、手で曲げるのは一苦労。これが着地の衝撃を溜め込み、跳ね返るような形で推進力に変換してくれる。
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※ 全体的に硬いクラウドレーサーのスピードボード。

 

クラウドラッシュのスピードボードも、同じく特殊樹脂製だ。中足部や前足部はやはり硬い。しかし、踵部分は非常にフレキシブルに曲がる。ここがクラウドレーサーのスピードボードと最も違うところだ。
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※ 踵部分が非常にフレキシブルなクラウドラッシュのスピードボード。

 

着地の衝撃で大きくたわみ、それが跳ね返るときに前方への推進力にしてくれるというのが、スピードボードの基本的な考え方だ。そして、前に進むときは中足部から前足部へ重心が移動する。

つまり、スピードボードの反発力は中足部から前足部にかけて発揮されるわけだ。それなら、スピードボードの踵部分は柔らかくても良い。その方が走り心地は優しくなり、かつ必要な反発力は十分に確保される。

クラウドラッシュのスピードボードは、このような考え方で改良されている。

 

…と長々書いてきたわけだが、クラウドラッシュのキーワードは「優しさ」、これに尽きる。

クラウドレーサーに見られた「カリッカリな感じ」が優しくなり、それでいてレーシングシューズとしての性能は十分すぎるほど保たれている。

「クラウドレーサーはカッコいいけど、どうしても足に合わなかった」とか「クラウドレーサーだとすぐに疲れてしまい、長い距離を走れなかった」とか思っていた人には、是非一度試してみてほしい。

足を入れて少し歩いただけでも、違いがハッキリと分かるはずだ。

 

次回「カズ・ドン憧れのティム・ドンのクラウドフロー」に続く

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