ハビエル・ゴメスからのメッセージ。

      2017/05/25

Javier in Yokohama

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宮古島トライアスロン、そしてゴールデンウィークが終わり、俺は1週間後に迫ったスイス出張に向けて準備を進めていた。

毎年5月中旬には、スイス本社への出張がある。主なテーマは、翌年の春夏新作発表会。数年前であれば、お客さん気分で「ふ〜ん、いいのが出るな〜」くらいにプレゼンを見ていられた。しかし、日本支社が設立され、日本の存在感が少しずつ増してきた現状では、そういうわけにもいかなくなってきた。

特に、今年の東京マラソンEXPOは、全世界的に見ても記録的な売上だったらしく、「マラソンイベントの準備と実施について」というテーマのワークショップでプレゼンをして欲しいと依頼が入ったのだ。社内向けOniversityの講師役になってくれ、ということだ。

Tokyo Marathon Expo 2017_1

 

スイス出張では、俺を含む各国のディレクターが来年の予測や計画を立てたりと、ただでさえ盛りだくさんだ。そこに加え、ワークショップの講師役。正直戸惑った。ただ、「無理ですごめんなさい」とは言えない。英語力不足はプレゼン資料と話す内容を入念に準備することでカバーしよう。

そんなわけで、資料作成に取り組んでいた5月10日(水)深夜、Onアスリートマネージャーのラディから連絡が来た。世界中のマラソンやトレイルラン、そしてトライアスロンのレースを戦っているOnアスリートたちに帯同して世界中を旅し、彼らから絶大な信頼を受けている男だ。

 

「ようヒロキ、ハビエルが明日の夕方、インタビュー受けられるってさ。

プロブリーフィングの後、18時半にホテルのロビーで待っててくれ」

 

スイス出張の準備に時間は取られていたが、週末の横浜トライアスロンの準備も同時並行で進めていた。5月13日の土曜日、プロのレースが終わった直後、ハビエル・ゴメス・ノヤのインタビューを予定していたはずだ。Triathlon LUMINAもそのつもりで用意をしてくれている。それなのに明日とは一体…?

 

「悪い、俺も今そういう連絡をもらったんだ。

ハビエル、実は来日直後から歯痛で、薬を飲んでずっと寝てる。

レース後、すぐに国に帰ることになったので、明日の木曜日しか時間がないんだ」

 

そういう事情なら仕方がない。すぐにLUMINAの斎藤さんに連絡を入れる。こうなればダメで元々。うまくいけばラッキーくらいに思うしかない。

しかし、斎藤さんをはじめとしたLUMINAチームの動きは凄まじく早かった。木曜日の朝にはチームを揃え、18時半にハビエルの宿泊するホテルに集まってくれることになった。そうなると、俺も行かないわけにはいかない。幸い、オフィスからホテルまでは1km程度だ。俺はホテルのブリーフィング会場の外で、LUMINAチームと共にハビエルを待った。

ハビエルの出待ち

 

18時半を少し回った頃、ハビエルが会場から出てきた。右の頬が赤く腫れている。今日もずっと痛み止めと抗生物質を飲んでいたらしい。辛いところ申し訳ないと思いつつ、ロビーの椅子に座ってもらい、インタビューを開始した。

Javier before race_2

 

通訳兼ライターの東海林さんは、自身でもトライアスロンをやるアスリートだ。そして、これまで何度もキャスパーやオリヴィエにインタビューをしてくれている。Onのことをよく知ってくれている彼女は、インタビュアーとして適任だ。

 

Javier before the race_3

 

2018年はアイアンマン・ハワイに向けて準備をしていくこと、もしパフォーマンスを出すことができそうなら2020年のオリンピックも検討の余地はあること、そのような興味深い話を聞くことができた。

インタビューも終わりに近づいた頃、俺個人として聞いてみたいことをハビエルに質問した。

 

「ハビエル、あなたがOnを履いてレースを戦うことを楽しみにしている日本人のOnファンがたくさんいる。

そんな彼らに向けて、メッセージをもらえないだろうか」

 

すると、彼は少し考えてから、こう切り出した。

 

「私はアスリートとしてOnでレースを戦い、そのフィードバックをラディやオリヴィエに伝えている。

オリヴィエは、そのフィードバックをすぐに商品改善に生かそうと努力してくれている。

大きなブランドではなかなか難しいことだろうが、Onはそれをしてくれている」

 

ハビエルの言いたいことがなんとなく分かった俺は、こう聞いてみた。

 

「つまり、オリヴィエが作ったシューズに、あなたがアスリートとしての声を加え、常に改善しているということだろうか?

Onファンは、あなたが改善を加えたシューズを履いていると理解していいだろうか?」

 

ハビエルは頷き、こう答えた。

 

「その通りだ。Onは速いシューズだ。

日本人のOnファンには、『速いシューズを履いているんだ』と自信を持ってもらえたら嬉しく思う」

 

こうしてハビエル・ゴメス・ノヤとのインタビューは終了した。

Javier before race_1

 

土曜日のレース結果は、やはり体調不良が響き、ハビエルは9位に終わった。レース前の3日間をほぼ寝たきりで過ごしていたにも関わらず、レースを常に引っ張る姿勢を見せてくれた。

フィニッシュ直後、コースに仰向けに倒れこんだハビエルを見て、ラディはただ一言、「彼を誇りに思う」と言っていた。

横浜トライアスロンが終わってすぐ、俺はオフィスに戻って出張の準備を続けた。ああいう素晴らしいアスリートたちが作り上げたシューズを、日本に届ける役目を持っているのは俺たちだ。しっかりやらなければ。そう思った。

Javier in Yokohama

 

次回「On クラウドラッシュについて その1」に続く

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