世界の鎌田のカンペキ・チャレンジ。

      2017/01/12

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東京マラソンEXPO2017へ出展するため、ここ数ヶ月準備を進めている。

東京マラソンは、Onにとっていつも大事なイベントだった。日本初上陸を人知れず発表したのは2013年の東京マラソンだったし、Onジャパン立ち上げのアナウンス後、今後のOnを占う試金石となったのは2015年の東京マラソンだった。

2016年はブーススペースを6小間に拡大し、さらなるチャレンジと位置付けた。その舞台裏で、カズも個人的なチャレンジを受けていた。他ならぬキャスパーからだ。

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「カズ、今なんで笑ったんだ?」

 

キャスパーから厳しい指摘があったとき、カズの笑顔は凍りついた。2015年5月に入社したカズの査定をするミーティングの席のことだ。

カズは業界未経験、営業未経験でOnに入社した。子供の頃から陸上を続けていたことで、およそあらゆるブランドの主力シューズは履いてきた。長距離に真剣に取り組み、大学に入ってからはトライアスロンに転向し、ランニング自体への造詣はもちろん深い。しかし、仕事の面で言えば素人と言ってよかった。

それでも、絶対に彼しかいないとキャスパーに推したのは俺だ。彼ならきっとやってくれると信じたからだ。そして、カズは期待に十分以上に応えてくれた。もちろん、2015年の査定の結果は、素晴らしいものであった。

しかし、2016年の目標をキャスパーから提示されたとき、カズは思わず笑ってしまった。その理由は俺にも分かった。「いくらなんでもそれは難しい」というわけだ。無理もないといえばそうかも知れない。大成功と思えた2015年の倍以上のものを求められたからだ。

 

「できないと思ったから笑ったんじゃないのか?」

 

カズのその笑い方には見覚えがあった。かつて俺がいた会社の上司、遠巻きに見ていた人たち、半信半疑の取引先、彼らの笑い方にそっくりだったからだ。

 

「ヒロキはそういう笑い方をしたことはなかったぞ」

 

口調は穏やかながら、キャスパーの厳しい指摘は続いた。それを翻訳する俺は辛い。

キャスパーは一拍おいて、説明をした。2010年、3人で創業したOnは、何者でもなかった。最初は誰もが「そんなもの売れるはずがない」と言って笑い、キャスパーたち3人はイベント会場で手売りから始めたのだ。

それでも、Onを履いた人たちはそれを喜び、買い求めてくれた。有名なアスリートたちが「俺も履きたい」と言って、レースで勝ってくれた。スイスだけではなく、ドイツで、アメリカで、同じようにブランドは急拡大した。

それから3年後、俺も日本で同じことを始めたわけだ。欧米で成功の糸口が見えているからといって、日本でも同じようにうまくいくとは限らない。しかし、それだけの可能性があると仲間たちが示してくれていた。だから、俺は笑わなかったのだ。

カズは真剣な表情でそれらの話を聞き、うなずいてくれた。キャスパーは表情をゆるめ、こう言った。

 

「ところでカズ、またトライアスロンに出ることにしたんだろう?」

 

カズは、2016年4月の宮古島トライアスロンに出ることを決めていた。それなら、その先もあるのではないか、そういう意味だ。カズは、その問いにもうなずいた。それを見たキャスパーは、いつものいたずらっぽい目をした。

 

「ヒロキ、日本語で『パーフェクト』ってなんて言うんだ?」

「うーん、『カンペキ』かな?」

 

 

「よしカズ。2016年の目標を達成して、コナの権利を獲得したら…

 

『カンペキ』な結果を出したなら、個人的にボーナスを出そう。

 

ハワイへの航空券と宿泊費を出す。

 

プロジェクト『カンペキ・チャレンジ』だ。やるか?」

 

 

「頑張ります!!」

 

いつになるか、それはまだわからない。でも、チャレンジしてみたい。カズは力強くそう言った。

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あれから1年。2016年、カズは「カンペキ・チャレンジ」で提示された目標を大幅に超える結果を出した。1年前に笑った彼はもうどこにもいない。

資格は得た。あとはもう一つのチャレンジを完遂すれば、ボーナスが出るだろう。

 

「それなのに年末年始早々、差し込みまくるって…」

 

「今年の目標は、『健康第一』にしますw」

 

そうだな、健康でさえいれば、絶対に可能性はある。ナマモノに気をつけろよ。腰と首もスベらすなよ。

そしたら勝ったも同然。俺は期待しているよ。

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次回「iro-hana かふぇ食堂とOnの話」に続く

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