アイアンマン・ケアンズ挑戦記 2017 – 第17話「Again, I am an IRONMAN」

      2017/07/10

I am an IRONMAN 2017

第16話「ランナーズハイ」に戻る

 

ラン3周目。手元には3つのリストバンドが集まった。あと14km。

2周目からペースはどんどん遅くなっている。身体も脚もすっかり重たくなってしまった。ただ、バイクであれだけ苦しめられた腰痛はほとんど感じない。クラウドフライヤーの守りの強さには驚かされる。

IM Cairns_close to the finish line_2

 

なにより、今もまだ楽しめている。この旅に出る前の自分と、今の自分の違いは大きい。

まずは完走。そしてその後も、この気持ちを忘れずにトレーニングを続けよう。もう弱い自分に押し切られそうになるのはごめんだ。

遠藤さんの結果はどうだったのだろうか。カズは怪我なく走り切れただろうか。吉澤さんはあの明るい笑顔でフィニッシュしただろうか。そしてみずおは……。

 

「駒さん…!」

 

残り4km地点。最後の折り返しを戻ってきたみずおが、脚を引きずりながらこちらに向かってくる。ものすごく辛そうだ。でも、あと少し。あと少しで、ゆきこさんの待つフィニッシュラインだ。頑張れ、の気持ちを込めてハグをする。

 

「それじゃ、フィニッシュラインで!」

 

「待ってます!」

 

みずおと別れ、先に進む。最後の折り返し地点、座って選手たちを励ましてくれるボランティアの女性にお礼をする。「あなた、これで最後ね?」「はい、ありがとうございました」の短い会話に、感謝の気持ちをなるべく込める。ハイタッチをしてくれた彼女に頭を下げ、最後の3kmへ。

雨が強くなってきた。待っていてくれるはずのみんなは、どうしているだろうか。傘なんてないよな。もう少しだけ待ってて。

こまだまだかな
※ フィニッシュ後見せてもらった「こまだまだかな」の図。

 

見えた、エスプラネードの光。遠くから聞こえてくるアイアンマンコール。沿道の応援の人たちに感謝を告げ、頭を下げ、ペースを上げていく。

やっぱり待っていてくれた。仲間たちひとりひとりとハイタッチして進む。あそこを右に曲がればフィニッシュライン。

IM Cairns_close to the finish line

 

目の前には、去年と同じ光景が広がる。視界が真っ白になるほどのスポットライト。Mドットが刻まれた赤と黒のカーペット。ハイタッチを求める手。

 

去年はここでダッシュしたが、今年は噛みしめるようにゆっくり走る。

IM Cairns_finish line_1

 

 

“Hiroki Komada, you are an IRONMAN!!”

 

 

間違いなく、DJはそう言った。まどかの応援ボードは嘘にならなかった。ゆっくりフィニッシュラインを超える。

IM Cairns_finish line_2

 

まぐれじゃない、2度目のアイアンマン。絶対に一人じゃできなかった。つくづく弱かった。

それでも、少なくとも、自分に負けたままでは終わらなかった。そこだけは誇らしく思っていいはずだ。だから、心の中でこう呟く。

 

Again, I am an IRONMAN.

 

Run 42.2km: 5:45:02

Overall 226km: 15:45:52

I am an IRONMAN 2017

 

最終話「いつか本当の鉄人へ」に続く

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