アイアンマン・ケアンズ挑戦記 2017 – 第14話「旅のようなレース」

      2017/07/06

IM Cairns 2017_bike finish

第13話「痛みは一瞬、記憶は一生」に戻る

 

Onの仕事を始めてからこの数年間、いくつかのレースに出てきたが、レースというのは旅のようなものだと感じる。

Strongman finishline_3

 

旅に出るときの自分と帰ってきたときの自分は、少し違っている。ほとんど気がつかない程度の違いであっても、それは確実に自分の中で起こっている。俺の中で、旅というのはそういうものだ。

Strongman 2015_DNF

 

その変化の度合いが、ロングのトライアスロンでは顕著に大きいと感じる。まるで長い旅のようだ。おそらく、ウルトラマラソンやウルトラトレイルでも同じか、もしかするとそれ以上に大きいのだろう。

Challenge IM again

 

これまで経験してきたロングのトライアスロンでは、驚くくらい弱い自分と、意外にしぶとく強い自分が、レース中交互に顔を出してきた。日常生活では、そこまでの激しい変化を体感することはあまりない。

Finish Line 2016_4

 

そして、そういうものを全て乗り越え、完走したときに思うのだ。「自分は少し変わった。強くなったかも知れない」と。

思いのほか弱い自分を何度も突きつけられ、反省することは多い。だがそれ以上に、少し変わった自分を素直に喜べる。レースに出る前より、少しだが強くなったような気がする。月並みな言葉だが、達成感だ。それは、フィニッシュラインに辿り着かなければ味わうことはできない。

だから、今は完走することを考えなければならない。さっきは、レースを投げ出す寸前までいってしまった。ここまで弱い自分を突きつけられたことは始めてだった。今、前を走っている老紳士の背中が、自分を引き戻してくれただけだ。

 

(痛みは一瞬、記憶は一生……)

 

まるでマントラのように、老紳士の背中の言葉を頭の中で繰り返し唱えながら、ケアンズに向かう平坦な道をひたすら漕ぐ。さっきまでと違い、余計なことは考えない。何よりも完走。そして、ちゃんとレースを終えることができたら、今より強くなろう。

残り数キロで老紳士を抜く。抜きながら、軽く頭を下げる。この人がいなかったら、きっとこの旅は途中で終わっていた。

こうして、長い長い180kmが終わった。次はフルマラソンが待っている。もう、この旅を投げ出そうとはしない。

IM Cairns 2017_bike finish

 

Bike 180km (T1 & T2含む): 7:43:23

 

第15話「老紳士との再会、T2簡易トイレの攻防」に続く

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