アイアンマン・ケアンズ挑戦記 2017 – 第10話「パームコーブのうねり」

      2017/06/29

Ironman Cairns 2017_Swim course

第9話「まぐれのない、2度目のアイアンマンへ」に戻る

 

落ち着いて海に足を踏み入れる。波は強い。ただ去年のように、海に飛び込んだ途端、波で揉みくちゃにされて波打ち際に打ち上げられるようなことはない。波の下を潜るように、ゆっくりと沖に向かう。

今回はスイムコースが変更されている。ビーチ沿いを水平に約1.9km進み、反時計回りにT1に向かって約1.9km戻る、1周回コースだ。点々とオレンジのブイが浮かび、曲がる箇所にだけピンクのブイが設置されている。

Ironman Cairns 2017_Swim course

 

沖に出ると、さほど波は感じない。しかし、うねりは強い。オレンジのブイがときたま視界から消える。そういうときは、ブイのはるか先、陸地に設定した目印を目指して泳ぐ。

ただ、それでも潮に流されてしまうのか、陸地の目印の位置すら見失いそうになる。たまに立ち泳ぎと平泳ぎに切り替え、自分の位置を確認しながら進む。うねりが強いときは、立ち泳ぎをしても周り全てを水に囲まれているように感じる。

大きく1周回するコースは、去年の2周回コースより気持ちが楽なのではないかと思っていたが、どうやらそうでもなさそうだ。いつまで泳いでも折り返し地点が見えてこない。進むべき方向を見失いそうになるたび、周囲を確認しながら進むのは気持ち的にしんどい。

オレンジのブイを何個も通りすぎ、「まだピンクのブイは見えないのか」とうんざりしかけた頃、ようやく最初のピンクのブイが目に入ってきた。自分が正しい方向に進んでいるかどうか怪しいと思いかけていたので、ホッとする。まだ半分残っているとはいえ、間違いなくスイムフィニッシュに向かって進んでいる。

ピンクのブイを曲がろうとしたとき、他の選手の腕がゴーグルをかすった。右目の部分に海水が入ってくる。コンタクトレンズが流されたら、方向確認ができなくなってしまう。その後のレースにも大きく支障を来す。慌てて右目だけを瞑り、選手たちの流れから外れる。立ち泳ぎをしてゴーグルを外し、両目を瞑りながらゴーグルから海水を出す。

ゴーグルを再装着して目を開けると、自分がどこにいるのか全く分からなくなっていた。ほんの10秒程度のことだったのに。他の選手たちも見えない。うねりに揺られながら周囲を見回すと、正面に小さくピンクのブイが見える。さっき回った1.9km地点のブイだ。目を瞑っているほんの数秒の間で、うねりと潮で身体の向きを逆にされていたようだ。

ピンクのブイの反対側を向いて、再び泳ぎ始める。オレンジ色の物が浮き沈みしているのが見える。しかし、それに近づいてみると、実はライフセーバーのキャップだったことが分かった。これは間違えやすい。気をつけなければ。

オレンジのブイなのかライフセーバーのキャップなのか、間違えないように確認しながら泳ぐ。うねりに翻弄され、気持ち悪くなってくる。明らかに去年より遅い。3.8kmはこんなに長いのか。

約3.8km地点のピンクのブイをようやく回り、スイムフィニッシュのゲートを目指す。このキツいスイムもあと少し。ゲートをくぐったとき、手元のTIMEXを見ることすら忘れていた。

スイムフィニッシュ

 

柵の向こうにまどかが見える。

 

「2時間かかったか!?」

 

「1時間40分くらいだよ!」

 

去年より10分も遅い。しかし、2時間かかっていなくて良かった。ヨロヨロしながらT1テントに向かう。

 

Swim 3.8km: 1:42:33

 

第11話「簡易トイレの大暴れ、T1空白の21分間」に続く

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