アイアンマン・ケアンズ挑戦記 2016 – 第16話「最速不動産王の証明」

      2016/08/24

最速不動産王_1

第15話「彼女がくれたアイアンマンコール」に戻る

2016年6月13日(月)、レース翌日午前3時半。

1時過ぎにホテルに戻ってシャワーを浴び、パタリと寝たはずが、こんな時間に目が覚めてしまった。異様に喉が渇いている。グレープフルーツジュースがうますぎる。

飲み物を飲んでホッと一息ついたとき、窓際のテーブルに置いてある完走メダルが目に入った。見れば見るほど不思議だ。

IRONMAN Cairns medal

ケアンズ到着初日に見た幸運の蝶「ユリシス」。あの日、バタフライ・サンクチュアリで見ることはできなかった。

しかし、今俺の手元にそれがある。憧れのアイアンマンになったそのとき、俺の首にかけられたのは、ユリシスを象った完走メダルであった。俺は確かに幸運なのだと思う。メダルをひとなでして、またベッドにもぐり込んだ。

Ironman Cairns Finish_5

9時半、バイクのピックアップのために、エスプラネードへ。そこにはリザルトが貼り出されていた。

どれどれ、Male 35-39 は……駒田博紀、ビリから4番目。ちなみに、同じ日にセントレアでアイアンマン70.3に出たアキコさんは、エイジでトップから4番目だったらしい。なんという好対照だろうか。

<駒田博紀 リザルト>
Swim 3.8km: 1 hour 29 min 41 sec
Bike 180km: 7 hours 20 min 18 sec
Run 42.2km: 6 hours 26 min 37 sec
Total: 15 hours 38 min 58 sec

IM Cairns result

遠藤さんMale 30-34 の日本人2位。さすがだ。このエイジでスロットが2個あれば、俺たちの遠藤さんが夢の舞台に行けることになる。

ワクワクしながら、俺たちはロールダウンセレモニーへ向かった。ここで、アイアンマン・ハワイ、つまり世界選手権の参加権利 (スロット) を手に入れる選手が発表されるのだ。

会場で前の列に座った遠藤さんに「ハワイ、行けるといいですね」と言うと、意外な返事が帰ってきた。

「もしハワイに行けたら嬉しいし、行けないとしたらそれもそれで嬉しいです」

ハワイに行けたら、これまでの努力が報われたわけで、それは嬉しい。でも、もし行けなかったとしたら、「やはりハワイは簡単には届かない特別な場所だ」と確認できる。今回ダメだったとしても、これから先もその場所に向かって努力を続ける。そしていつか手が届いたときは、自分の成長が実感できる。それはものすごく嬉しいはずだ。

遠藤さんが言うのはそういう意味らしい。思わず唸ってしまった。ハワイを狙うレベルの人間の考えることは、そういうものなのか。俺とは目線の高さが違う。やはり、この人にはスロットを獲ってもらいたい。

若いエイジから順に発表されていく。祈るような気持ちで待つ。心拍数がどんどん上がっていく。自分のレース以上に緊張する。そして、いよいよ Male 30-34。

「Male 30-34 のスロットは……2個です!

思わず歓声を上げた。鳥肌が立っている。前の席でジッと座っていた遠藤さんがバッと振り向き、俺とみずおに握手を求めてくる。その手を思い切り握りしめる。FacebookメッセンジャーとLINEで実況中継していた先では、マッサカズさんヤスコさんとアキコさんが大喜びしている。やったな、モーニングマン。やはり、最速不動産王だ。

「……さて、最後のエイジです。Male 80+ は、完走者1名。スロットも1個。

……

ウスイ・ミズオさん!

俺・遠藤・みずお「( ̄◇ ̄;) なにーーーー!!」

「ちがいます〜!本当は36歳なんです〜!登録間違いです〜!!」

みずお必死の弁解。どよめく会場。そうか、修正できていなかったのか…。

こうして最高の結果を手に入れ、俺たちはロールダウンセレモニー会場を後にした。

さあ、打ち上げだ!

最速不動産王_1

第17話「ケアンズ最終日、幸せな1日」に続く

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