ハセツネ挑戦記 2016 – 第7話「ハセツネ30K大渋滞」

      2016/12/23

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ヤスコをキッチリ1km引き、ダンディズムの魂を預けて切り離す。しかし、ヤスコ本人はいつ俺と別れたのか全く認識していなかったと判明したのは別の話。

ヤスコを切り離してからも、しばらくは彼女の背中を見ながら走る。それでも徐々に離され、彼女の背中が見えなくなってから、俺はキロ5分に落とす。ヤスコは強い。きっと目標の5時間半は切ってくるだろう。

さて、問題は俺だ。初めてのトレランレース。試走したわけでもないため、どんなコースなのかも分からない。これまでの乏しい経験から、「トレランのタイム = ロードのタイム x 2倍」とざっくり考えていた。となると、目標タイムは以下のようになる。

キロ6分 x 2倍 x 30km = 6時間

制限時間は7時間。そんなに余裕はない。それに、聞くところによれば、このロードが終わりトレイルに入る10km地点で大渋滞が発生する。人によっては40分近く待つこともあるらしい。その大渋滞をなるべく短い時間で乗り切るため、周りのみんなはこんなにスピードを上げて走っている。のんびりしてはいられない。

ひたすら登りのロードを走る。緩い登りではキロ5分程度を保っていたが、徐々に急になってくる勾配。暑くなり、スタート地点で着ていたジャケットを脱ぎ、ザックに入れる。手袋も取る。

キロ6分よりも明らかに遅くなっていると思った頃、前方に渋滞が現れた。まだ8km地点を少し過ぎたあたりだ。ここから1km強渋滞が続くわけか。登り坂には延々と人の列が続いている。

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しかし、焦ってもどうしようもないので、前向きにとらえることにする。登り坂を8km強登り、かなりくたびれていたのだ。リフレッシュするための時間を貰ったのだと考える。先ほど脱いだジャケットをまた着て、体温の低下を防ぐ。ジェルと水分を摂り、体力の回復を図る。

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渋滞開始から30分ほど経過。慌てずのんびり進んでいると、おしっこがしたくなってきた。

前方には黄色いテントが4つほど並んでいるのが見える。あれは、必殺・PAIL TOILETではないか。できれば避けたい。しかし、下腹部を気にしながら山道を走るのは御免被りたい。

 

どんどん近づいてくる黄色いテント。

どうするどうする。

はっ、そうだ。息を止めていこう。

 

黄色いテントに駆け寄り、大きく息を吸い、中に飛び込む。小さな白いバケツ。一瞬だけ躊躇したが蓋を開ける。流れるようにズボンを下ろし、放水。

 

……寒かったからだろうか。なかなか止まらない。息が苦しくなってきた。テントまで駆け寄ったのが良くなかったか。作戦が甘かった。

 

まずいまずい。

そして止まらない。

 

「ぶはぁ!」

 

たまらず大きく息を吸ってしまう。しかし意外。全くニオイが気にならない。レース前のヤスコの言葉を思い出す。

 

「女性用PAIL TOILETは大して臭くなかった」

 

…そうか、やはりあの時俺は数の暴力を受けたのだ。ここの利用者は少ないのだ。PAIL TOILETがヤバいシロモノというわけではなかった。誤解していてごめんよPT、おかげで助かった。

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心も下腹部も軽やかに、9時50分、いよいよ入山。残り20km、ここからが勝負だ。

 

第8話「大丈夫です、イケます」に続く

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