ハセツネ挑戦記 2016 – 第12話「ヤスコ奮戦、俺たち死闘」

      2016/12/27

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第11話「ハセツネ第1関門、百式あらわる」に戻る

 

・2016年10月9日(日)、17時

スタートから4時間。ヤスコは来ない。

どんどん暗くなってきた。霧も深くなってきた。さむい。

 

 

・17時30分

 

「うあー!さむいー!さむいー!!」

 

カズが突如叫びだした。分かるぞ。俺も百式になっていなかったら凍死しとる。

しかし、ヤスコも今頑張っている。俺たちも耐えるのだ。

 

「さむいー!おしっこー!さむいー!!」

 

「まだだ。。まだ終わらんよ。。。」

 

ヤスコ、まだか。頼む。

カズがあぶない。

 

 

・18時

外は真っ暗。ランナーはライトを点灯させ始めた。

頭にライトを装備する「ザク型」、腹にライトを装備する「サザビー型」に大きく分けられるようだ。もちろん、そのハイブリッド型も存在する。厳密に言えば、サザビーはそもそもハイブリッド型なのだが。いずれにせよ、ランナーの顔はサッパリ分からない。

 

「ヤスコー!ヤスコー!!」

 

カズが通り過ぎる人全員に声をかけている。そのたび、「あっ。。ちがった。。。」と壊れたDVDプレイヤーのように同じことばかり言っている。危険な状態だ。

一方、俺もヤバい状態だ。何しろ寒すぎる。百式の保温効果の限界を迎えつつある。

 

 

・18時15分

震えが止まらない。このままだと俺もカズもDNFになってしまう。

それにしてもどうしたのだろう。スタートから5時間15分。ハセツネ30Kのフィニッシュタイムだ。なのに、ヤスコはまだ20kmの関門に現れない。

 

「な、何かあったんですかね。。」

「け、怪我とかしてないだろうな。。。」

 

2人とも歯の根が合わない。考えてみれば、ここにこうして2時間以上も突っ立っていることになる。寒さを紛らわせるため、通り過ぎるランナーに全力で声をかける。

 

 

・18時20分

 

「ヤスコー!ヤスコー!!」

 

カズは相変わらずひとりひとりに怪しく呼びかけている。奴はもうダメだ。俺がなんとかヤスコを判別しなければ。

ヤスコは頭にライトを装備するザク型だったはず。ピンクのかぶり物も装備していた。ちょうどあんな感じの…。

 

 

「うおおお!ヤスコーー!!」

 

 

ヤスコはすぐにこちらに気がついた。俺の百式ぶりにツッコまないくらい疲労しているようだ。

 

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心配していた怪我はどこにもないが、渋滞やキツい登り、そして慣れていない暗闇の中でのぬかるみ。全てが彼女にダメージを与えている。

「フィニッシュライン…いけるか?」と聞くと、少し苦笑いしつつ首を傾げた。やはりキツそうだ。「がんばって!」と声をかけ、握手して送り出した。

 

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「ヤスコー!ヤスコー!いけー!!」

 

 

登り坂の向こうに消えていくヤスコに届けとばかり叫ぶ。クラウドベンチャー、ヤスコを頼む。

 

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・18時30分

20km地点関門での任務は終えた。

あとは俺たちの生還が必須なのだが、あまりにも周囲が暗く、ライトを持った集団と一緒でなければ危険だ。

すると、ちょうど下山しようとしていた女性がいたので声をかけると、彼女は親切にもヘッドランプを貸してくれた。最悪、iPhoneのライトで行こうとしていたので、ものすごく助かる。

 

 

・19時

真っ暗闇のトレイルを2.5km下り、無事生還。iPhoneのライトなんかで下りようとしなくて良かった。全く何も見えないところだった。

予定よりかなり下山が遅くなってしまったからとはいえ、準備不足も甚だしい。危ないところだった。いい経験をした。

 

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・21時30分

下山後、冷え切った身体をスーパー銭湯で温め、ブース会場近くのラーメン屋でパパッと夕食を済ませ、ようやく今夜の宿油屋旅館にたどり着いた。ここは猫屋敷ではない。安定感のある、普通の旅館だ。

ヤスコのフィニッシュタイムは予測しにくいが、明日の3時くらいには起きてフィニッシュラインで待機しておきたい。

そんなわけでこれから仮眠。また後ほど。

 

最終話「おつかれ、フィニッシャー」に続く

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