勉強だけできた子供時代。

   

Hiroki_5 years old

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身体の弱い子供だったからだろうか。運動に見込みのなかった俺に、母親は勉強を教えてくれた。

 

Hiroki_5 years old
※ 多分、4歳か5歳の頃。

 

勉強とは言っても、風呂で九九を諳んじるとか、色々な本を与えてくれたとか、そういう程度だ。ただ、それが良かったのかも知れない。

小学校に入ってすぐに気がついた。「勉強なんて簡単だ」と。どんな科目であろうと、すぐに理解できた。算数はやや苦手だったが、それでもテストは100点が当然だと思っていた。ドラえもんは好きだったが、のび太がどうしても理解できなかった。

一方で、喘息児だった俺は身体が弱く、砂ぼこりの舞う学校の校庭でやる体育は辛かった。走るとすぐに発作が出てしまい、自然と見学ばかりになった。

身体が弱いくせに勉強だけできる男の子というのは、ちょっとしたいじめやからかいの格好のターゲットになってしまう。口げんかをしているといきなり窓枠に頭を叩きつけられたり、歩いていると「ライダーキック!」とかなんとか叫ぶ奴に飛び蹴りされて吹っ飛んだり。まあ、子供というのはそんな感じで残酷なところがある。

体力自慢の友達は、毎日遅くまで走り回っていた。一方俺は、学校が終わればすぐに家に帰り、ゲームをやったり漫画を読んだり、完全なインドア派だった。体力自慢たちにたまにこっぴどくやられることはあったが、概ね幸せな小学校生活を終えたと思う。

雪谷小学校

 

中学校に入ると、英語が新しい教科に加わる。俺の父親は留学経験がないにも関わらず、ほぼネイティブ並みの英語力を持っていた。彼はアメリカ人の部下を持って、バリバリと働いていた。

そういう父親がいた影響もあったのだろう。英語はちゃんと勉強しようと決めていた。入学する前の春休みで、中学1年生レベルの単語はほぼ全て覚えていた気がする。当然、学校の勉強は楽だった。中学1年生の終わり頃、英検4級に合格した。

ただ、勉強だけをするつもりはなかった。小学校時代、腕力で有無を言わせずにやられた経験が強く残っていたからだ。中学校に入ったら、何か部活に入って身体を鍛えたいと思った。ただ、校庭の砂ぼこりだけは勘弁してほしい。そんな理由で、剣道部に入部した。板の間なら大丈夫だろうと思ったからだ。

剣道

 

しかし、そうは問屋が卸さなかった。入部したばかりの1年生に竹刀を持たせてくれる剣道部など、そうはないのだとすぐに理解した。なんのことはない、ひたすら校庭をぐるぐる走らされた。ゼーゼーヒーヒー言いながら一番後ろを走り、走り終えたら筋トレ。耐えきれず、3ヶ月で剣道部を辞めた。竹刀は一度も握らなかった。

 

(僕じゃ何もできないんだろうか…)

 

剣道部を辞めた頃、さすがに落ち込んだ。身体が弱く、運動神経に難のある男の子が今後どういう扱いを受けるのか、先が読めてしまった。勉強ばかりできて目立っても、子供社会では何のメリットもない。むしろ悪目立ちするだけだ、と思った。

 

「近所に空手の道場があるんだけど、一緒に見に行ってみる?」

 

家でゲームをしていたそんなある日、母親が俺に声をかけてくれた。空手。全く想像もしなかった単語だ。

 

「うん、行く」

 

俺は即答した。直感的に、「それしかない」と思った。

 

次回「琉球古武道空手道 真光流 拳生会、入門」に続く

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