空手ガンプラマラソン詐欺、荒行中の荒行 – 第7話「第1回東京・荒川マラソン」

      2016/09/09

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第6話「ガンプラが教えてくれたこと」に戻る

かつて結婚生活をしていた頃、俺は極力早く仕事を終える練習をしていた。16時までには自分の仕事を片付け、あとは不測の事態に対応したり、チームのサポートをしたりして、定時になると同時に会社を飛び出すのが習慣になっていた。

別に「早く家に帰りたい」という理由ではなく、もっと後ろ向きな理由だ。なるべく早く家に帰らなければ、家の中がどうなっているか分からなかったからだ。会社を飛び出し家路に急いでいる間、そして家のドアノブに手をかける瞬間は、毎日緊張したものだ。

だから、2012年9月に一人暮らしに戻ったときも、俺は早く家に帰る習慣がついてしまっていた。何も起きていない家に戻るのは緊張しない。だから、安心して早く家に帰れるようになっていた。空手のひとり稽古以外、やることはなかったのだが。

だが、Onに出会ってから、もうひとつやることができた。ランニングだ。俺にとって、一番苦手なスポーツがランニングだった。「仕事だから仕方ない」と思い始めたのだが、色々な巡り合わせで宮古島トライアスロンに参加し、辛うじて完走することができた。

Strongman finishline_3

宮古島トライアスロンの最後のラン、ひたすらしんどい思いをしながら、「なんでこんなことしてるんだ?」と自問自答していた。仕事のためだろうか、マーケティングの一環か。俺みたいな遅い人間が走らなくたって、すごい人がOnを履いて走ってくれている。

それならなんで。なんのために走っているんだろう。

フィニッシュラインのある陸上競技場にたどり着いたとき、少しその答えが分かった気がした。仕事だけが理由だったら続いていなかった。いつの間にか、走ることは楽しみになっていた。それ以上に、走り始めたことでできた新しい仲間の存在があって、やっとここまでたどり着けたのだと。

(…そういえばそうだった)

ガンプラを作る前に走る、という妙な生活習慣が出来上がった頃、ふと俺は理解した。

Onが日本からなくなるかもしれない状況に陥り、そうしてはならないと必死にスイス本社に訴えかけ、あとは彼らに全てを委ねるのみになったとき、俺は少しそのあたりを見失いかけていたのかも知れない。

俺は仕事だけで走っているわけではなかった。Onが日本でどうなろうと、俺は自分の楽しみのため、仲間と一緒に楽しむために走りたいのだ。俺は空手家であり、今では同時にランナーだ。

「自分はランナーだ」と思えるようになったのは、ガンプラ生活中の隠れた大きな成果だったようだ。

そこで、俺はひとつマラソン大会にでもエントリーしてみようと思った。今からエントリーできる大会はないものかと、ランネットで検索してみた。すると、ひとつ都内で開催される大会があるようだ。

「第1回東京・荒川マラソン」

荒川ならわりと近いが、鎌倉の山の中から荒川までは地味に遠い。楽をしようと八丁堀のビジネスホテルを予約した。フルマラソンを走るためのトレーニングができているとは言い難いが、とりあえず準備を整えて家を出た。

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電車に乗りながら、Facebookに「これから荒川マラソンに向けて出発します」という趣旨の書き込みを行ったところ、そこには意外な反応が。

「荒川マラソン、大変なことになってますよ!」

「も、もしかして知らないんですか?」

「場所の使用許可漏れらしいです…」

なんだなんだ、一体何が起きているんだ。また事件なのか?

第8話「荒川マラソン詐欺」に続く

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